朧げな何か

無意識にアクセスしたいと歩き回る日々

宮本常一のカバンの中身



日本中をくまなく歩き通した民俗学者宮本常一のカバンの中身。

  • 筆記用具(万年筆、付箋)
  • 糊、糸、虫眼鏡、携帯ナイフ、髭剃り、メガネ
  • お守り
  • 名刺
  • 風土記』『万葉集』の文庫本
  • カメラ

f:id:karibusatanyu:20151124044219j:plain

宮本常一と写真 (コロナ・ブックス) | 石川 直樹, 須藤 功, 赤城 耕一, 畑中 章宏, 宮本 常一 | 本 | Amazon.co.jp

「過酷」ともいえる旅を生涯においてし続けた男の装備としては、かなり簡素なものだと言わざるを得ない。戦後、パトロン渋沢敬三が没落し、無尽蔵の援助が期待できなくり経費削減という意味合いもあるだろうが、出来る限り「身軽で旅をしたかった」のではないかと想像できる。

宮本常一にとってのカメラ

上記の写真を見ると、キヤノンのCanonet QL17を使用していたようだが、宮本常一といえば「オリンパスペンS」。どちらにしてもコンパクトカメラを愛用していたようで、何台もカメラ使い潰したらしい。

なぜオリンパスペンSを使用したのか。

  • カメラ自体がお手頃低価格だった
  • ハーフサイズなので36枚撮りで72枚撮影できフィルムの節約、荷物の軽量化につながる
  • 動作音が小さいため撮影中に警戒される可能性が減る

などが考えられる。何よりもコンパクトサイズのカメラなら「撮りたい時にさっと撮れる」、というのが一番の理由だったと思われる。大仰なカメラだとカバンからカメラを取り出すだけでも億劫なもんだから。

カメラ機材を一から考え直す

今までは私は、シグマの「dp3 quattro」というコンパクトカメラとはとても言えないようなカメラを使用していたのだが、持ち運びに苦慮し、「撮りたい時にさっと撮れない」もどかしさを感じていた。

SIGMA デジタルカメラ dp3Quattro FoveonX3 有効画素数2,900万画素 931179

SIGMA デジタルカメラ dp3Quattro FoveonX3 有効画素数2,900万画素 931179

しかし、宮本常一に触発され思い切ってキヤノンの「PowerShot G7 X」に買い換えた。

  • コンパクトで画質がそこそこ良い1.0型センサー のカメラ
  • 動き回れない祭事やイベントで力を発揮する望遠100mm相当
  • 手頃な値段
  • ソニー製ライバル機の堅牢性がイマイチ(センサーにゴミ混入)

が決め手。やはりdp3 quattroに比べ、格段に「撮りたい時にさっと撮れる」ようになった。バッグからさっとカメラを出して、気になって仕方がなかったあのワンコも難なく撮影できた。

f:id:karibusatanyu:20150926061140j:plain

柳田國男が期待するスナップ撮影

民俗学の大家・柳田國男によると、写真には

言葉には言い表せないけれど、写真ではピンと頭に感ずるようなもの

宮本常一と写真 (コロナ・ブックス) | 石川 直樹, 須藤 功, 赤城 耕一, 畑中 章宏, 宮本 常一 | 本 | Amazon.co.jp

があるという。またスナップ撮影にはかなり期待していたようで、

もっと軽い感情の動きですね、小さな軽蔑とか小さな愉快さといったようなものを撮ろうという場合、それはどうもスナップでなければいけませんし、正確とは行かないまでも、何かそれを永久にするような方法があると、われわれの学問の対象も非常に発達するのです

宮本常一と写真 (コロナ・ブックス) | 石川 直樹, 須藤 功, 赤城 耕一, 畑中 章宏, 宮本 常一 | 本 | Amazon.co.jp

と述べている。柳田自身、写真を撮るのはどうにも下手だったようだが、宮本常一はまさに柳田が期待したスナップ撮影に肉薄していたのではないかと思われる。

宮本常一と写真 (コロナ・ブックス)

宮本常一と写真 (コロナ・ブックス)