読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

朧げな何か

無意識にアクセスしたいと歩き回る日々

割れ目から白い蛇が現れたという「くつな石」

フィールドワーク 写真


f:id:karibusatanyu:20160907054352j:plain:w1000

明日香村の阪田地区にあるという「くつな石」。何でも石を切り出そうとしたところ、割れ目から赤い血が噴き出し白い蛇が現れたという曰く付きの石らしい。

蘇我稲目の墓だと言われている都塚古墳から、急勾配な坂道をだらだら歩いて「くつな石」を目指すことにしたのだが……

「くつな石」の伝承

その昔、ある山に巨大な石があったそうな。これに目をつけた石屋がこの石を切り出そうとして、鑿(ノミ)で"コーン"と一打・・・・。すると、不思議に石の割れ目から赤い血が流れ出し、傷ついた白い蛇が現れた。それを見た石屋はびっくり仰天。「これは大変。」と驚き恐れ、鑿(ノミ)や道具も捨てて逃げ帰ったそうな。しかし、その夜から高熱にうなされ、とうとう亡くなってしもうたそうな。このことを聞いた村人達は、これは「くつな(蛇)」の祟りと恐れ、それ以来、神の宿る石として祀っている。

阪田のくつな石 - 奈良の名所・古跡


「くつな石」へと至る道

やたらに雲が近くに感じられ、孤線を描く棚田が何とも艶めかしい。「石舞台の金屏風」とも呼ばれているらしく、収穫時の棚田はさぞや美しい黄金色で満たされているのだろうか。

f:id:karibusatanyu:20160907054349j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054346j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054348j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054353j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054345j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054347j:plain:w1000

張り巡らされた農道に何度か惑わされ道を間違える。きっと暑さのせいだ、多分。打ち捨てられた?トラクターを横目に重たい足を引きずり「くつな石」を目指す。

「くつな石」に到着

山と棚田の間には柵がしてあり、「くつな石」を見学する者はしっかり柵を閉めなければいけない。そういえば以前、多武峰から石舞台へと至る道で、ウリ坊を連れた巨大イノシシに遭遇したことがある。地響きを立ててイノシシが走るたびに腹部にまで振動が伝わる。あの得も言われぬ感覚は一生忘れないだろう。

f:id:karibusatanyu:20160907054354j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054343j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054351j:plain:w1000

口と両目をあんぐりあけた堤防を通過しさらに山道を登ること数分、ようやく「くつな石」に到着。マンボウのような岩に複数の蛇がまとわりついたような奇石。

「くつな石」とは

「くつな」とは「蛇」。地元では「くつな石」のことを「弁天さん」と呼んでいるとのこと。弁天とは七福神の女神・弁才天のことであり、中世には人頭蛇体の得体の知れない神・宇賀神と習合。まあ、蛇つながりということか。

「くつな石」の横には、いかにも「雨乞い」と関係がありそうな三大明神が祀られており、蛇→龍→雨乞いの黄金パターンともいえる。確か蛇にまつわる石が大和三山の香久山にもあったような。香久山でも雨乞い神事が行われていたらしいし、皇極天皇が雨乞いした「南淵山」も近くにある(皇極天皇のシャーマンっぷりが半端ない)。大和盆地は古来より旱魃に悩まされていたことが窺える。

f:id:karibusatanyu:20160907054344j:plain:w1000

f:id:karibusatanyu:20160907054350j:plain:w1000

もう一つ、「くつな石」の伝承に出てくる「石屋」の存在。「くつな石」から斜面を下るとそこには石舞台古墳。あの巨石をここから切り出し転がり落としたのだろうか、などとの空想が頭を過る。

飛鳥にある謎の石造物などをビジュアル満載で紹介

日本の古代史 飛鳥の謎を旅する (別冊宝島 2384)

日本の古代史 飛鳥の謎を旅する (別冊宝島 2384)


関連記事

wriiii.hatenablog.com